灘の蔵元三百年
- 著者:西村 隆治
- 定価:1,700円+税
- 四六版 256ページ 上製
- ISBN 978-4-7705-0221-6 C0095
- 奥付けの初版発行年月:2015年12月発売
●内容紹介
日本酒は近年、輸出の増加、女性や若者の間での人気回復から、復権の兆しが明らかになってきた。そうした時期に出版されたのが本書である。灘の大手蔵元、沢の鶴14代目当主が歴史文化、行政、醸造法、味や香りなど日本酒概論の趣を醸しつつ、主題に迫る。
●目次
第一章 今、日本酒が新しい
- 一 ワインのソムリエが日本酒の勉強を始めた!
- 二 ソムリエたちの驚きと結論
- 三 日本酒は世界三大醸造酒のひとつ
- 四 日本酒とは?
- 五 日本酒の種類とその区分
- 六 日本酒の現状と展開
第二章 色・香り・味から見た日本酒
- 一 日本酒と白色信仰
- 二 熟成や保存による着色
- 三 香りについて
- 四 ハナ吟醸と味吟醸
- 五 旨味の発見
- 六 通の辛口?
第三章 日本酒の謎に迫る
- 一 まずい米からうまい酒
- 二 「水の如き酒」が良い?
- 三 酵母はモーツァルトを喜ぶ?
- 四 酒を造る主役たち
- 五 純米酒と米だけの酒の違いとは?
- 六 そもそもアルコール添加とは?
- 七 燗の温度、冷やの温度
- 八 なぜ燗をつけるのか?
- 九 日本酒は天然の化粧品
- 一〇 適量飲酒で死亡率低下
- 一一 日本酒が健康に及ぼす三大効果
- 一二 「百薬の長」日本酒
第四章 日本酒を楽しむ
- 一 どんな料理にも合うのが日本酒
- 二 唎き酒を楽しむ
- 三 日本酒の四つのタイプ
- 四 日本酒と料理の相性を楽しむ
- 五 燗・冷や・ロック・水割り、それぞれの楽しみ
- 六 酒器について
- 七 日本酒の作法
- 八 四季折々の日本酒
第五章 日本酒の歴史と文化
- 一 日本酒の歴史と謎
- 二 灘酒の特徴
- 三 灘の酒前史
- 四 灘の酒の興隆
- 五 江戸文化と日本酒
- 六 蔵の話
- 七 沢の鶴資料館と大震災
- 八 酒造り唄
- 九 酒の霊力
- 一〇 根っこは地酒
第六章 国酒・日本酒の真相
- 一 日本酒は国酒か?
- 二 低迷する日本酒
- 三 日本酒低迷の諸要因
- 四 日本酒低迷の真因
第七章 日本から世界へ−−羽ばたく日本酒
- 一 「日本酒で乾杯」運動
- 二 蔵元の共同行動の展開
- 三 新しい日本酒の登場−−『旨味そのまま10・5』の衝撃
- 四 世界へ羽ばたく日本酒
●著者プロフィール
西村 隆治
1945年生まれ。67年京都大学法学部卒。73年同大学法学研究科博士課程卒。同年文部教官京都大学法学部助手。74年沢の鶴株式会社入社。79年常務取締役。84年代表取締役社長、現在に至る。84年から灘五郷酒造組合理事。2002〜10年兵庫県酒造組合連合会会長・日本酒造組合中央会近畿支部長。02年から日本酒造組合中央会理事。06年から日本酒で乾杯推進会議運営委員会委員長。